安倍なつみその2

 http://www.sponichi.co.jp/entertainment/kiji/2004/12/01/01.html

 昨日の文章だけじゃあんまりなので、もっと真面目に書く。

 今回の謝罪を聞いて「著作権トラブルにしてはずいぶん早急に、しかも明確に対応したもんだな」と思いました。
 今まで見聞きした著作権トラブルがあまりにもスッキリハッキリせず、しかも日本人の悪習間としてのウヤムヤが多いというか。

 まず、もっと昔であれば、誰かがパクったパクられたという話題というのは、新聞、雑誌、テレビ等で報道発表されなければ、一般人がそれほど知るような話題ではなかったですね。しかも世間的に認知された著名人だったとか、大掛かりな裁判に発展しない限り。
 そうでなくて、そこそこ「新進気鋭の小説家」「少女漫画界のホープ」なんていう、特定のジャンルしか知らないような人におけるパクリ騒動を見聞きするようになってきた。これはネットの発達が大きいと思います。ネットによって個人が簡単に声明を出せるようになってくれば、創作を生業としている人だって自分の公式サイトで簡単に告発することができる。

 ただし、そうやって本人もしくはファン(と称する人)が問題として上げたとしても、最終的にパクった人←→パクられた人同士の利害はどうなるかという結論にしかならない。だからパクられた人が一時的に自分のサイト上で怒りまくったくせに「当事者の話し合いにより解決」なんていう、実際はウヤムヤなんじゃんとしか周囲に思えてこないような流れになったり。そうでなければ裁判に上げられて泥沼化したり。
 また、パクった人がその業界でそれなりに地位があり、著作物の売上がでかかったりするケースだと、だんまりを決め込むことが多いようです。それこそ告発がネットだったりすると「ネットを徘徊する愚民どもが自分に対して何かロクでもないことを書いている」とかなんとか理屈をこね回して。
 著作権トラブルがスッキリハッキリしないのは主にこういった理由です。

 これらのことを考えて、今回の安倍なつみの謝罪には、周囲の関係者の間で以下のような思惑があったのではと妄想してみます。
安倍なつみの、国民的とも言えるアイドルとしての知名度があり、放置しておくわけにいかない。
・ネットによって告発されているとはいえ、昨今のネットでの影響力は大きい。
安倍なつみのパーソナリティは可愛く純真無垢ということになっており、詩を剽窃したのは著作権という意識もなくやってしまったこと(公式発表の通りであれば)である。故意のものではない。
安倍なつみはアイドルであって、指摘された創作もアイドルとしての延長上にあるもの。小説家や詩人や作詞家などの創作物に匹敵するレベルのものはない。
・指摘のあった創作は彼女の写真集やエッセイなどで使用され、一部のファンが中心に購入している。よってこれらの商品を新しいものと差し替えることである程度の対応は可能。

まあ、これらは妄想なんで本気にしないで下さい(って断り書きをしないと勘違いして本気にする人がいそうだから)。
 繰り返すけど、この件の対応は、他の多くの著作権トラブルと比較しても、評価できるものであったと思います。