アイドルは電車男のテキストを読むか

 某モーオタさんの日記を読んでいたら「『電車男』の出版本の現物って初めて中を見たんだけど、あれって2ちゃんのテキストをそのまま乗っけてるんだ?! こないだ矢口真里がラジオで愛読してるって言ってたけどけしからん! 矢口はこんな2ちゃんくさいの読んじゃだめ!」と言っていたのでトホホな気分に。何をいまさらというか。

 前にも自分のところで書いたけど、あの本の編集者自体2ちゃんどころかネットをやらない人間であり、この一連のテキストを客観的に見て商品となるかを判断しただけである。そして2ちゃんにもネットにも関わりない読者層に届けたという、一種の市場開拓でしかない。俺の会社の女性社員も回し読みしてるし。つうかある日「中吊り広告で見たんだけど『電車男』って何?」って聞かれたんだもん。はてなキーワードの解説があまりにも役立たずだったからamazon紀伊國屋書店の商品解説をプリントアウトして。

 だから別にアイドルが読むのはけしからんということはないだろう。すでに漫画化までされてるし。問題は、あのローカル言語とノイズとアスキーアート出まくりのテキストをすんなり読めるかどうかだろう。何十万部売れたとしても何十万人が全部それを理解して楽しめるかどうかという疑問もある。まあ、ベストセラーなんて売れた分に対して、どのぐらいの人が完読しているかってのは怪しいもんなんだけど。

後日注:電車男自体がネタかもしれない、という考え方の元に検証しているサイトがあって、「編集者がネットも2ちゃんも知らないというのは虚偽の発言ではないか」という見方もあるみたいですね。まあ確かに2ちゃんというのは騙りがつきものな空間ではあるし、その点に関しても否定はしないけど、要はネット発で市場開拓できた希有な例だということが言いたかっただけで。