読書感想しりとりリレー2005・その2『宴のあと』

(すいませんが書きかけです。完全版は今週末にでもアップします)

 他の原稿も入っているので手短に書きます。ついでにまたしても「う」が来てしまったので、安易にも前回の選択候補だった三島由紀夫『宴のあと』にしてしまいました。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101050163/hatena-22/ref%3Dnosim/24/249-9582906-4185136

 実在した事件を元に描かれた小説。男と女、聖と俗、政治家と女将、保守と革新、野心と虚無……といった様々なコントラストにより、作品としての芸術的価値を高めている。三島由紀夫といえば他にも『金閣寺』のような実在の事件を元にして描かれた小説があるが、大事のは「元ネタ」が何だから、というのではなく、元ネタを芸術的価値まで持っていく体力が桁外れに凄いってことですね。金閣寺にしたって元は単なる放火事件ですから。
 それも、「聖を俗に引きずって堕落させる」という、官能小説に頻繁に見られるパターンではなく、「俗を聖まで引っ張り上げる」という力がある。そして聖まで持ってきてもわざとらしさや嫌らしさが少ない。
 この小説で盛んに出てくる「一緒の墓に入りたい」というフレーズが印象的。女性がこれだけ自立している世の中では、すでに死に絶えた観念かな。

※『宴のあと』裁判について

はてなのキーワード見たらちゃんと書いてあるじゃん。見ておけばよかった。そしてコピペ。

1961年(昭和36年)3月、長編「宴のあと」がモデル問題を惹起し、15日、元外相有田八郎よりプライバシー侵害のかどで提訴される(「宴のあと」裁判 http://www.mainichi.co.jp/eye/iwami/sunday/1999/0711.html)。裁判は1964年(昭和39年)8月、東京地裁第一審で敗訴、被告側は翌月直ちに提訴上告。1966年(昭和41年)11日、両陛下主催の秋の園遊会に招待される。28日、有田家との間に裁判上の和解成立。

有田八郎ってこんな人。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%89%E7%94%B0%E5%85%AB%E9%83%8E