吾妻ひでお『失踪日記』(イーストプレス ISBN:4872575334)

 今週末にはまたしてもしりとりリレーがあるんだけど、ちょうど読んでいる本に順番が回ってくることがない。いつもタイミングが悪い。

 とりあえず、ネットを中心に深く浸透しているであろうとこの作品を採り上げておく。初版はどこに行っても買えないと言われているけど、こないだ池袋リブロに行ったら2冊ぐらいありました。

 本の構成としてサザエさん風に言うならば、
「仕事を放り出して逃げてホームレス生活をしたよの巻」
「家出をして拾ってもらったガス会社に住み込んで仮の姿で働いたよの巻」
「アル中になって治療施設に収容されたよの巻」
の3本です。

 表紙に「全部実話です(笑)」とあるけど、笑いごとではない。妻子あっていい歳こいたおっさんがこのような体験には普通耐えられない。ついでに酒浸りな俺にとっても笑いごとではない。
 陰惨にならず、すんなりと読めるのは、吾妻ひでおが作る漫画キャラや絵柄に助けられているところが大きい。かといってこの生活をするのはごめんだな。アルコールの作用から脱出しようとするところなんて人ごととは思えないのだが。

後日注:吾妻ひでおがガス会社にいた頃社内報に書いた漫画。文中の東英夫は変名。
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