ナンシー関一気読み

 上でもちょっと書いたけど、ナンシー関の文庫本を西友から買って読みまくった。『天地無用』『隣家全焼』『堤防決壊』『小さなスナック』(以上文春文庫)『何がなんだか』『ナンシー関の記憶スケッチアカデミー』『何だかんだと』(以上角川文庫)。
 お勧めはリリー・フランキーとの共著『小さなスナック』。表紙のタイトルには『リリー&ナンシーの小さなスナック』と書いてあるけどあれは「シド&ナンシー」に掛けているのか。全編にわたってリリーとナンシーの与太話でちょっと含蓄のある内容。そして暴走するリリーをナンシーが「しょうがないわねえリリーさんは」とたしなめている。この対談は『クレア』2000年9月号から2002年6月号まで続き、本書の最後はリリーによるナンシー追悼文、文庫版あとがきは「ナンシーさん、お元気ですか? もうあれから三年が経ちます」という報告文。ナンシーの急逝という事態にならなければもっとこの本は軽い乗りだったはずなのだが、この最後の部分のためにやけにしんみりしたトーンになっている。「ノストラダムスの予言がはずれたからって21世紀にすぐ死なないとは限らない」「ナンシーさんの40歳の誕生日にお祝いイベントやりましょう(←実際はその40歳の誕生日の直前に亡くなった)」「アルコール度数の高い酒が好き」「(2002年正月は)40度の熱を出した」などと、現時点で読むといろいろ考えされられるフレーズが多い。