トークイベント「薔薇を生む、わたし。薔薇を愛でる、あなた」

※1/31 19:55に後半の最後あたりの内容を追加。

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江古田 飛茶瓶洞 Cafe FLYING TEAPOTにて。
一階が古本屋の地下。
サブカルな人々の交流スペースを兼ねた喫茶店なのでしょうか。

午後5時を10分過ぎて開始。
司会の未映子さんの朗読と歌。
同じく司会の吉田アミさんの超絶高音ハウリング・ヴォイス実演。

前半、午後7時まで、ゲスト金巻ともこさんを交えたトーク
以下箇条書き。

・金巻さんの仕事紹介
・BL業界の近況。ゲームや漫画など。
・BLのエロ。カップリングについて。ネズミランドキャラもネタにする。「YouTubeでネズミランドキャラがプレイしてる画像見た」(未映子さん)
ユリイカの「文化系女子カタログ」特集
・「腐女子」という単語について。BL好きな女子が自虐的にそう名乗った。マスコミに採り上げられるときは「オタクな女子」全般のことを指すようなってしまった。諸説あると思う。
・「やおい」という言語について。
・「文化系女子」について。「腐女子」との区分。
杉浦由美子著「オタク女子研究 腐女子思想大系」の問題点。
腐女子とは何か、再び。
腐女子はおシャレしない傾向にある。男子に媚びる女子は嫌い。
腐女子の変身願望。
・BLについて。テニプリのCDは100枚出ている。
・BLな見方。リポビタンDのCMを見てもそう見てしまう。
ユリイカに掲載されたカレー×福神漬けのカップリングの詩に未映子さん感動。
腐女子の発想。中学生ぐらいになると「自分が女であること」に汚らわしさを感じたりすることもある。その反動。
・男性ポルノ(男女同士)は、もし中出ししたら妊娠するというリアルさはあるのに対し、男子同士の関係のフィクションは「ありえない」というものに近いから入りやすい。感情移入できる。
竹宮恵子など、少女漫画でBLを書いた24年組について。
・そのような少女漫画は文学性が高い。
やおい系は単におもしろい。「やおいという言い方をしてるのもある種の自虐」(金巻さん)
山岸涼子日出処の天子」について。
よしながふみについて。
・女子は食い物にされる自分を自覚しているけど、男子は自覚していない。
・自分たちの痴漢体験。「他人の電車痴漢体験を聞いて、ひねりつぶしてやると意気込んでいたのに電車では遭わなかった。マッサージで男性にされたっぽい。怒りより恐怖」(未映子さん)
・男子は食い物にされる恐怖を味わうためにBLを読むがよい。ショック療法。
・同性同士は、頭で想像してもフィジカルにできるか。
大島弓子作品。「太った男性がテディベアに似てるから安心できる女子」なとといった世界観。
・再び「日出処の天子」。文庫版第二巻で山岸と氷室冴子が対談してる。男性同士の恋愛について書くことを編集者に理解させるのに苦労した。「BLを書くことは××××を防ぐための手段」といった発言があるが、この伏字は何だろうという謎について。
・BLの恋愛観の変遷。昔は苦労して恋愛したけど、今はあまり苦労せずに恋愛する。
・現代10代の恋愛が反映されているか。
・現代には「日出処の天子」のような世界の作品はなさそうだ。自由になってるから。「男同士でつきあえばいいじゃない?」で終わり。
・金巻さんが昭和40年代、50年代の結婚平均年齢(東京都だけ?)を調べた。昔は24歳25歳くらいで結婚しているのが普通だった。昭和50年代にその年齢なのは前述の「24年組」の方々も含まれる。男女雇用機会均等法も昭和50年代。それから変化している。
・再びよしながふみ。母と娘の関係を書いた漫画。
・BLが好きになったらずっと好きになる。

後半、午後9時まで、ゲスト野中モモさんを交えたトーク。テーマはミニコミなど。
以下箇条書き。(>関係者様。事実誤認等がありましたら訂正いたします)

野中モモさんの自己紹介。編集、ライター、ミニコミ、ネットショップ等多彩な活動。
野中モモさんのミニコミの歴史。
サニーデイサービスのインディーズ時代のCDに、野中さんのミニコミの写真が使われる。
同人誌即売会に初めて行ったのが中一(野中さん)。
・小学校の新聞係など壁新聞もやった。
・小さい頃自分で雑誌を作ることが多かったと思う(吉田さん)。
・りぼんの真似をした雑誌を1冊つくった(野中さん)。
・中学の頃自分が孤独だったので友達づくりを想定してミニコミを作った(吉田さん)。内容はバンギャル的なもの。
・確認事項。野中さんと吉田さん、未映子さんで3年違うので、見てるものや感じ方が若干違うと思う(野中さん)。
・中学に御茶ノ水YWCAに通っていたので、神保町はいつも通って文化を吸収していた。書泉グランデの地下フロアで「よいこの歌謡曲」読んでた。シティロードも(野中さん)。
アニメージュで批評の世界を知った。同人誌即売会のレポートで同人誌文化を知った。「あたしの好きな漫画がここにある!」と。当時の誌面で同人誌文化について宮崎駿のインタビューのコメントが「今の若い人は自分の名前がついた雑誌を出すことが、手っ取り早いレゾンデートルになるんじゃないですか」とあった。そこでレゾンテートルという言葉を知った。(野中さん)。あとはぱふ(漫画情報誌)など。
キャプテン翼の同人誌について。
・大阪だからそういうパロディの文化を知らなかった。アニメイトに通ってる女子が周りにいたくらい(未映子さん)。「視界に入ってなかったんじゃないの」(野中さん)。
・エッチな同人誌は興味ないけどおもしろい漫画は好き(野中さん)。人それぞれを解釈を加えるところが。
・はまった漫画について。
ドラえもんを単行本一冊完全模写した。その模写はチラシの裏で、それを小学館経由で送ったら藤子F先生からサイン色紙が届いた。だけど今は残ってない。(未映子さん)「妄想だったんじゃないのそれ」(吉田さん)。(←後から未映子さんから聞いたら「ペロ生き返って」が入ってる話だというので5巻あたりか?)
・野中さんと吉田さんはオバQ派。野中さんはドロンパ萌え。
・キャラ萌えとストーリー萌え。「酔っ払っちゃってる人にしかわからない何か」(野中さん)
・裏設定を考える。「トムとジェリーのジェリーの家の裏側を考えた。」(吉田さん)
・パロディの精神は1%(野中さん)
・年下は年上の人から教えてもらう喜びがある。
ワープロで初めて字を打って活字になったときの喜び(未映子
・文章も書きたかったし漫画も描きたかった。インタビューをしたかった。自分の世界を伝えたかった(吉田さん)。
・映画の人だった。ロードショー(雑誌)は子供っぽいので違う内容を見たり書いたりしたかった(野中さん)。
・昔は、他人に理解されない世界だから一人だと思っていたが、今ならWebで簡単に理解されし仲間も見つかるだろう。
ミニコミが目指すもの。好きな人に好きな内容を提供する。書店に並ぶものは不特定多数の人を満足させる、その違い。
・紙にこだわる理由。パッケージ化する。現物がここにあるという感じ。
・ひと昔前の、デザインをコンピュータで作れない不自由。
・自分のミニコミをどういう人に伝えたいか。
・自分の好きな感触を伝えたい(野中さん)。
クイックジャパンの後ろにミニコミの広告が載ってる。
・野中さんのマック自慢。94年のミニコミはマックで作った。
未映子さんの学校のマックは120万したのに、スキャンしか使ってない。下手な使い方したら怒られた。何だこの落差は。
ミニコミはあまり保存してない。ばるぼら氏にあげたものが現存しているので、今日ここに持ってきた。フリッパーズギターソノシートが付いたレアなものもある。
・京都のミニコミ文化。
・批評だけのミニコミ
・名古屋で買っていたミニコミは中を見ることができなかったのでジャケ買いだった(吉田さん)。
ミニコミはトレード推奨。自分が欲しいものを得る。それが楽しい(野中さん)。
・野中さんの「三人以上で発信していく」という主張。
・どこかに「これを好きな人がいる」かもしれない。
・これがWeb2.0。レッツ集合知。自分が歴史の一部であると自覚しよう。だから積極的に関与していこう。自分が楽しいことが大事。
・質疑応答。というよりも客席の、加野瀬氏、ユリイカ編集長、金巻さん他数名の「しゃべり場」。


(自分の感想はまた後日、別枠にて)